2006年10月、ディエゴ・アグヘタが来日した際に、一本のカセットテープを手渡された。テープには「CONCIERTO DE DIEGO Y MOLINA 13-AGOSTO 2003」と書かれたシールが貼ってある。
「ディエゴとモリーナのコンサート 2003年8月13日」
モリーナとはパリージャの本名だ。つまりこれは、ディエゴ・アグヘタがギタリストの盟友パリージャ・デ・へレスと共に2003年8月に行ったコンサートの記録であり、現在、脳梗塞で倒れ加療中のパリージャ・デ・へレスのおそらくは一番最新の録音ともなろう。始めにパリージャのギターソロ。続いてパリージャの伴奏でディエゴが唄う。ツアーの合間に何度かそのテープを皆で鑑賞した。その内容の素晴しさに、堀越さんも絶賛し、ディエゴも誇らしげに終始笑顔で皆の顔を眺め、パリージャ復活が難しい現状も加え、CDとしてリリースすることと相成った。