不純邪道フラメンコ狂日記

第十便 8月3日
アディオス!

ホアンのガキがホテルの浴衣を盗み
得意げに自慢した。
掘越さんにド叱られた。
罰としてギャラから浴衣代を
さっ引かれた。

朝、ホテルのロビー。
ミゲルが緑色のスポーツバックを手渡した。
中にウグイス色のシャツがはいっていた。
ツアー中、ミゲルが着ていたものだ。
ニコニコ笑っているミゲル。
プレゼントらしい。
そういえば昨日、服がどうのこうのと言っていたが、
このことであったのか。

ありがとう!ミゲル“ヒタ−ノ・デ・ブロンセ”!
でも、どうせなら俺は
龍の刺繍の入った黒いシャツが欲しかった。

自分のいらなくなった整髪ムースやオーデコロンも一緒にいれているところが
奴らしい。

ホアンのガキが禁煙である
駅のホームで煙草を吸った。
駅員にド叱られた。

ホアンよ、
今度会う時は
もう少し大人になってくれたまえ。

空港についた。
もうすぐアテネ五輪が始まることもあり、
ジャージ姿のがたいのいい人と日の丸が目立つ。
TVカメラマンの姿も。
YAWARAさんの姿は見えなかった。

搭乗口。
いよいよお別れだ。
「じゃあな!」
ディエゴが手を上げ、さっさと歩いていってしまった。
ディエゴよ、お前という奴は…

ホアンとミゲルとは熱くハグを交わした。
そして彼らも視界から消えた。

全て終わった。

「いけねぇ、奴らから小銭もらうの忘れちまったぜ!」


おわりに

遅ればせながら
ツアーにおいて色々な方のお世話になりました。
ここで感謝を申し上げます。
至らないところが多々あり
御迷惑をおかけしました。
この失敗を次ぎに生かすことを誓い
皆様の寛大さに答える所存でございます。

ありがとうございました。

−第十便 完−
更新日2004年12月3日