不純邪道フラメンコ狂日記

第四便 7月28日
海へ

今日は休みである。
皆で海へ行った。
今宿である。
と書いたところで
福岡の人間にしか分からない。
海に行く前に、今宿駅そばの
ファミレスに入った。
大人数なものだから
ファミレスとはいえ
ランチ代は馬鹿にならない。
おかげで皿がもらえた。
そのお皿はミゲルがアンダルシアに持って帰った。

さあ海についた。
人は誰もいなかった。
誰もいないくらいだから
そんなにきれいな海ではない。
向こうに能古島が見える。
臨月の腹が三つ
海に浮かんだ。

ディエゴが蛾の死骸を
河原田君の海パンに入れた
「何するんすか!」
ミゲルが口に含んだ水を
いきなり吹きかけた。

ディエゴよ、ミゲルよ、
お前達はいくつになったのだ。
ホアンが奇声を上げてボールを蹴ってゆく…

ディエゴの海パンに砂をいれようと思い、
一握の砂を掴み
ディエゴを見据えた。
もうディエゴは分かっていた。
うちの飼い犬が寝ている時に
鼻の穴にこよりを入れようとすると、すぐに勘づいて逃げてゆく。
並び立てて書くのは、ディエゴに対して失礼である。

近くの神社で水道を借り、潮を洗い流し、ホテルに戻った。

休みだったが、一番疲れた。

−第四便 完−
更新日2004年11月4日

ディエゴ