不純邪道フラメンコ狂日記

第六便 7月30日
苗場へ

「今日は俺の誕生日なのに、誰も俺にプレゼントくれない。」
ホアンのガキが言った。

ただで日本に来れて、うまいもん食って(ファミレスだけど。)、
ギャラももらえて、
おまけにフジロックにも出れて、
いいか、スペインのロックのクソガキは出たくても出れないんだぜ、
ホアンよ、
その上お前は何を望むつもりなのだ。

車が苗場スキー場についた。
色とりどりのテントの花が
向こうの丘に密生している。
いよいよ、明日はフジロック出演だ。

霊感の強い人の話では
その会場には沢山の霊がいるそうで、
特にこの時期は賑やかになるので、集まってくるそうな。

私は霊感が皆無なので、霊がいようが、妖精がいようが構わないのであるが、
もし、それが本当であるなら
ジョ−・ストラマ−の霊もきっと見に来ることだろう思う。

湯沢町医療保健センター。
夜10時。
看護婦がミゲルの耳に体温計を差し込んだ。
「35度、平熱です。」
事務的に答える看護婦。

その体温は意外な程、低かった。

プリンスホテル、関係者用の通路。
ドレッドロックスを束ねた黒人のおばちゃんが大声を上げ
仲間のおじさんに抱きつき騒いでいる。

それを見て
ホアンがディエゴに飛びついてふざけ出した。

いいぞ!ホアン!
田舎者度じゃ、俺達 LOS AGUJETAS が出演者ナンバー1だ!

そんな脇をギャズ・メイオールが通り過ぎていった。

−第六便 完−
更新日2004年11月15日

ホアン