不純邪道フラメンコ狂日記

第九便 8月2日
東京 エスペランサ2

東京へ戻る前、
皆で松阪城跡を観光した。
ディエゴが
途中にあったお寺の卍マークに興味をしめした。
ナチスのハーケンクロイツかと聞いた。
4月にドロレス・アグヘタが来た時も
同じく関心を示し、ハーケンクロイツであるなら燃やしてやると
息巻いたという。

かってナチスのホロコーストの対象は
ユダヤ人だけでなく、同性愛者、身体障害者、ジプシーも
含まれていたという。

ホアンのガキが
城の中腹にあった茶店で団子を食った時、
「まずい。」と言って一口食べてほかった。

掘越さんにド叱られた。

皆でだらだらと城跡の頂上まで登って行く。
こういう時、ディエゴとホアンはふざけて騒いでいる。
ミゲルは一人自分の世界に入る。
そして
カンテを口ずさみながら歩いて行く。
そこにはステージ上での、観客に接している時の
ミゲルの姿はない。

ミゲルのソレア。
アブラゼミの鳴き声が
それをつつんだ。

ここは日本。

−第九便 完−
更新日2004年11月27日