10月21日

昼。
高円寺にいる間、一回は必ず訪れるアグヘタファミリー御用達のステーキ屋で昼食。
当然ビフテキだ。
お店を出た時、堀越さんが開口一番、
「パコと行ったよな。この店。」と仰った。
パコとは2回行った。
2回目の時はジャンボステーキを2皿ペロリと平らげたっけ。
そんな感傷も束の間、クルシージョ(カンテ講習会)会場、日本フラメンコ協会ビルへ向かう。
場所は中野。高円寺の一駅隣だ。

夜。
エスペランサ公演二日目。
これから述べる出来事がこの日だったか、前日だったかは今となっては確信が持てないことを予めお断りします。
公演中の私の主な仕事はビデオ撮影とCD売りである。
エスペランサはもう何度目なので慣れたものだ。

「あなたは堀越さんのご子息ですか?」
お客さんの一人に尋ねられた。
同じ質問を3年前の公演でも聞かれたことがある。
きっと同じ人であると思う。
顔は憶えてないのであるが、その突拍子もない質問は忘れることが出来ない。
確かきっぱり「ノン!」と答えたはずであるが…
きっとその人にとっては「ノン!」の答えだけでは納得できないくらい私が堀越千秋に似てみえるのであろう。
しかし私の顔を知っている方、私って堀越さんに似てます?
私が通常、よく似ていると言われるのは、貴乃花である。
その論理で行くと、堀越さんは貴乃花の親父の故二子山親方にクリソツということになるが、堀越千秋って二子山親方に似ているのであろうか。
ともあれ、この人とは次回エスペランサでお会いする時も、きっと同じ会話を交わすことになるのであろう。
今から楽しみである。
失礼であるがまたまた顔は失念してしまった。でも大丈夫。
この質問さえしていただければすぐに思い出します。

話のついでに、ここで常々感じていることを一つ。
私にはフラメンコをしている人が全部同じに見える。男も女も。
男はギタリストで、痩せて長髪を束ねて眼鏡かけた人ばかりだし、
女は踊り手で、同じく長髪を引っ詰めっていうかポニーテールっていうかは分からないが、ともあれおでこを見せている人ばかりだ。
ヒップホップといえば、野球帽にダブダブの服でデブが「ヨオーヨオー。」言ってるのばかりだったり、レゲエといえばドレッドにして、ラスタでもないくせに「ジャージャー。」言ってるのばかりなのと同じなんでしょうか。
それとも、日本特有の家元制度の弊害が象徴的に外観に現れたと見ればいいのかしらん。
ともあれ、その先にあるのはイミテーション。