10月27日(1)

せっかく広島にきとるんじゃけぇ、お好み焼きくらい食べたいじゃない。のう。
というわけで、午前中、皆がまだ寝ている中、単独行動。
平和公園に行く。
ツアー直前に、ゲバラが広島を訪れた時の話を読んで同じ場所に立ってみたいと思ったからだ。
ゲバラは日本の外務省が組んでいた第二次大戦で死んだ無名戦士の墓に詣でる予定を
「行かない。数百万のアジア人を殺した帝国主義の軍隊じゃないか。絶対に行かない。行きたいのは広島だ。
アメリカ人が10万人の日本人を殺した場所だ。」と急遽変更させ広島に訪れた。
そして、原爆資料館を案内した日本人に
「米国にこんなにまでされてなお、君たちは米国の言いなりになるのか。」
と言ったという。

平和公園は、修学旅行でも行ったことがある。
皆が慰霊碑をバチバチ写真を撮っているのに違和感を憶えていたら、
坊主でもある担任教師も写真を撮っていて驚いた。

相変わらず、バチバチ写真を撮っている観光客を観て、そんなことを思い出した。

「後がつかえてますけぇ、早く並んでつかえ。」
と広島弁まるだしのガイドにせき立てられ、競りにかけられる家畜のように撮影台に上り、記念写真を撮っている修学旅行生や農協団体旅行客を見ると、この公園が作られた本来の意図は失われ、ただの観光スポットに成り下がっているんじゃないかという気がする。

そして、毛唐、白ん坊の類いのバカップルがニタニタ笑いながら慰霊碑の前で抱き合って写真とか撮ってるのを見た時、いつの日か、俺もグラウンドゼロで(こういうことをする奴はアメリカ人に違いない。偏見?)、万歳三唱とかすると、「ヘイボーイ、こっちに来な。」とどっかに連れていかれそうなので、ビクトル・ハラの「平和に生きる権利」をガンガンにかけてやろうかと思った。
なに俺の皮肉はアメリカ人には分からないだろうから大丈夫さ?!

注1)米国の支援を受けて、チリの軍事クーデターは1973年9月11日に実行された。
注2)毛唐、白ん坊という表記が気に障る方は各々コーカソイド系アメリカ人と読み替えること。


そんな人々を見ながら、慰霊碑の前で突っ立っていると、5歳くらい子供達が3人現れた。
その中の一人の男の子が、誰に言われるのでもなく、慰霊碑の前で小さな手を合わせ拝んだ後、仲間達に急かされその場からかけ去って行った。

撮影台の上で記念撮影をしている団体旅行客と抱き合っている外国人観光客と5歳の男の子の中で誰が一番、「人」として正しいのでしょうか?
そしてゲバラは、この中の誰をアミーゴと見るだろうか?